アパートの鍵を受け取った日。
なんだか不思議な気持ちでした。
新生活ってもっとキラキラしたものを想像していたけれど、私の場合は少し違った。
結婚して家を出た時とも違う。一人暮らしデビューとも違う。
完全に家を離れるわけじゃない。
でも帰る場所がもうひとつ増える。
そんな「二拠点生活」の始まりの日でした。
鍵を開けて、まだ何もない部屋に入る。
シーン…。
静か。
すごく静か。
最初に思ったのは「広い!」じゃなくて、「音しない…」でした。
そしてその静けさに少しホッとしている自分がいました。
この日から、私の“聖域”づくりが始まります。
二拠点生活なので家電は必須じゃない
普通の引っ越しなら、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、炊飯器…。
最初から全部揃える人も多いと思います。
でも私は少し違いました。
なぜなら、完全な一人暮らしじゃないから。
二拠点生活。
家族との生活も続く。
だから最初から全部必要なわけじゃない。
むしろ「ないと困るもの」を確認してから揃えればいいかなと思っていました。
今までずっと家族のために生活してきたからか、何かを決める時も「足りないものを埋めなきゃ」って考えがちだったんですよね。
でも今回は違う。
必要最低限から始める。
なかったら、その時考える。
そう決めました。
今思うと、暮らしをゼロから始めるというより、「自分が快適かどうか」の実験みたいな感じだったかもしれません。
まずは自分がくつろげる場所づくり
部屋に入って思いました。
まず何が必要?
キッチン?
収納?
違う。
私の答えはすぐ出ました。
「座れる場所」
それでした。
私はここで生活の効率を上げたいわけじゃない。
自分を休ませたい。
仕事から帰って、ぼーっとしたい。
何も考えず動画見たい。
コーヒー飲みたい。
ダラダラしたい。
だから最優先は「くつろげる場所」。
ちょっと前の私なら、「先に収納!」「生活導線!」とか言っていた気がします。
でも今回は違いました。
ようやく、自分中心で考え始めていたんだと思います。
チェアマットが一番先に届いた。でもこれが想像以上に便利!
ネット注文していた荷物の中で、一番先に届いたのはまさかのチェアマット。
椅子の下に敷く透明なマットです。
正直言います。
最初は地味だなと思いました。
もっとワクワクするものが先に来ると思ってた。
ラグとか。
かわいい雑貨とか。
でも届いた瞬間、意外な才能を発揮しました。
その日、椅子の組み立てがあったんです。
段ボールを広げて、ネジを出して、パーツを並べて…。
その時ふと、「床傷つかないかな?」と思ったんです。
そこでチェアマット登場。
敷いてみたら大正解。
工具を置いても安心。
椅子を倒しても安心。
ゴトゴト音も少し吸収してくれる。
新築じゃないけど築浅だから、なんとなく床を傷つけたくない気持ちもありました。
想定外の使い方だったけど、こういうことあるんだなと思いました。
地味だけど、初日MVP。
たぶんチェアマットです。
カーテン設置。ちょっと短かったけど、まあいいや
そして生活感が出始める第一歩。
カーテン。
窓に何もない状態って落ち着かない。
丸見え感があるというか、「まだ仮住まい感」が強い。
ワクワクしながら取り付けました。
そして。
……あれ?
短い。
ちょっとだけ。
ほんのちょっと。
でも絶妙に短い。
下が少し足りない。
なんで。
測ったよね?
いや、たぶん測った。
測ったはず。
たぶん…。
でも不思議なもので、その時思ったのは「失敗した!」じゃなくて、
「まあいっか」
でした。
昔の私なら気にしてたかもしれない。
でもその日は、とにかく自分の部屋ができた嬉しさの方が大きかった。
少し短いカーテンも、なんだか愛嬌に見えました。
少し日が落ちてきて、やっと気づいた。照明がない
夕方。
荷物も少し落ち着いて、なんとなく部屋らしくなってきた頃。
ふと思いました。
……暗くない?
外を見る。
日が落ちてる。
そして数秒後。
気づきました。
照明ない。
買ってない。
完全に忘れてる。
いや待って。
人って照明忘れる?
私、忘れました。
慌ててホームセンターへ。
時間もない。
選んでる余裕もない。
結局、「一番安いやつください」くらいの勢いでシーリングライト購入。
おしゃれとか言ってる場合じゃない。
明るければ正義。
帰宅して取り付けた瞬間。
パッ。
部屋が明るくなった。
安心した。
文明ってすごい。
そして思いました。
生活って案外こういうことなんだなって。
完璧に準備して始めるものじゃなくて、その場で足りないものを埋めていくものなのかもしれません。
今のところ部屋で一番高い買い物。ヨギボーMAXは大正解だった
そして最後は、今のところ部屋で一番大きな買い物。
ヨギボーMAX。
買う時ちょっと悩みました。
高い。
いや、結構高い。
でも思ったんです。
私、この部屋で何したい?
答えはシンプル。
くつろぎたい。
それだけ。
だから思い切りました。
そして届いた日。
第一声。
「デカッ!!」
想像以上。
完全に想像以上。
玄関でちょっと焦るレベル。
え、これ入る?
これ大丈夫?
部屋の主張がすごい。
でも使ってみたら、もうダメでした。
完全に負けた。
座れる。
埋まれる。
寝られる。
ソファにもなる。
ベッドにもなる。
気づけばそのまま寝落ち。
人をダメにするって本当だった。
29㎡の1K。
決して広くない。
でもソファとベッドを別々に置くより、私にはちょうど良かった。
今ではヨギボーが部屋の中心。
そして私のダメ時間の中心でもあります。
引っ越し初日って、もっと完璧なスタートを想像していました。
でも実際は失敗だらけ。
カーテン短い。
照明忘れる。
想定外ばっかり。
でも、そのくらいがちょうど良かった。
完璧じゃない部屋だから、少しずつ育てていける。
この部屋と一緒に、私も少しずつ「私」に戻っていくのかもしれません。