広告 聖域づくり

安らげる場所を探した40代のアパート探しは、ちょっとした迷子の旅だった

「もしアパートを借りるなら、娘たちが気軽に来られる場所がいいな」

今思えば、アパート探しのスタート地点にいた私は、“自分のため”と言いながら、まだ誰かのことを優先していた気がします。

家を出るわけじゃない。離婚するわけでもない。完全な別居でもない。

でも、家の中にいると息が詰まる時がある。

母親でも、妻でもなくて、ただの私として静かに過ごせる場所が欲しかった。

そんな思いから始まったアパート探し。

今振り返ると、それは物件を探す旅というより、自分の気持ちを探す旅だったのかもしれません。


① 娘たちが来られる場所を目指して、3LDK探しからスタート

最初に考えたのは3LDKでした。

娘たちが学校帰りに寄れる場所。
休日に遊びに来られる場所。
泊まろうと思えば泊まれる場所。

そんな未来を勝手に想像していました。

私の中では「お母さんの家」として考えていたんでしょうね。

だから広さ重視。

一人で暮らすには広すぎるくらいだけど、「娘たちが来るかもしれない」を基準に考えていました。

そして探してみると、古めのアパートなら家賃5万円前後。

「えっ、思ったより安い」

ちょっとテンションが上がりました。

現実味が出てきた気がしたんです。

でも、実際に内見してみると、頭の中のイメージとはかなり違いました。


② 家賃5万円の落とし穴。「安い=お得」じゃなかった現実

部屋に入った瞬間、なんとなく空気が重い。

古い建物独特の匂い。
壁紙の使用感。
水回りの年季。

そして気になったカビ

さらに追い打ち。

「エアコンは付いてないので、ご自身で設置になります」

……え?

ちょっと待って。

家賃5万円だからお得だと思っていたのに。

エアコン代。
設置工事。
家具。
家電。
カーテン。
照明。

生活を始めるためのお金が次々増えていく。

頭の中で計算し始めた私は、途中から現実に戻りました。

「あれ?安くないじゃん」

家賃だけで見ていたらダメなんだ。

今まで実家暮らしや家族との生活が長かった私は、住むってもっと大きな話なんだと気づきました。

結局、その物件は諦めました。

条件は悪くなかった。
でも、ここから生活を立ち上げるエネルギーが今の私には重かった。

今思うと、無理して契約しなくて良かったと思っています。


③ 家具家電付きの救世主?レオパレスに心が傾いた日

次に候補に出てきたのがレオパレス

家具家電付き。
すぐ生活開始可能。

まるで住むためのスターターキット。

「これ最高じゃない?」

正直かなり惹かれました。

私が欲しかったのは、おしゃれな家じゃなくて、すぐに休める場所。

疲れている時って、ゼロから作る気力がないんですよね。

だから最初から生活が完成している感じが、とても魅力的でした。

ところが近所は空きなし。

やっと見つけたのは、自転車で20分ほどの場所。

微妙に遠い。

でも条件は悪くない。

見積書まで作ってもらいました。

なんとなく、その部屋で暮らしている自分まで想像していました。

ところが。

ここから信じられない事件が起きます。


④ そして私はやらかした。申し込み忘れ事件

なんと私。

申し込みの話をするのを忘れました。

忘れる?
そんなことある?

私もあとで思いました。

なんで!?って。

たぶん、その時の私は慣れない部屋探しにいっぱいいっぱいだったんです。

見積もりを出してもらって安心してしまった。

終わった気になっていた。

そして気づいた頃には、見積書の期限切れ

終了。

再募集。

え、待って待って待って。

そんなに早いの!?

不動産の世界は本当に早い。

びっくりするくらい早い。


⑤ 空いていた部屋が、誰かの未来になった瞬間

そしてもっと驚いたのは、その後でした。

再募集されたと思ったら、あっという間に別の申込者が現れたんです。

ほんの少し前まで空いていた部屋。

数日前まで「ご案内できますよ」って存在していた部屋。

それが急に誰かの暮らしの場所になる。

不思議でした。

そして少し悔しかった。

あの時ちゃんと申し込んでいたらどうなっていたかな。

そんなことも思いました。

でも今ならわかります。

縁がなかった部屋って、あるんですよね。

無理やり追いかけても、するっと逃げていく。

逆に縁があるものは、不思議なくらい繋がる。

この時はまだ知らなかったけれど、私にはちゃんと別の部屋が待っていました。


⑥ 「娘のため」から「私のため」へ。探す理由が変わった

何度か探して、考えて、迷って。

ある時ふと気づきました。

あれ?

私、本当に欲しいもの何だっけ?

娘たちが来る場所?

もちろん来てくれたら嬉しい。

でも、一番欲しかったものは違った。

私は私が安心できる場所が欲しかった。

静かに座って。
誰にも気を使わず。
好きなものを見て。
ただぼーっとできる場所。

そこに気づいた瞬間、部屋探しの条件が変わりました。

広さより、安心感。

家族のためより、自分のため。

たぶん、この瞬間が一番大きかったと思います。


⑦ 奇跡みたいに現れた、職場徒歩圏の築浅アパート

そしてその後。

奇跡みたいに見つけました。

職場から歩ける距離

しかも築浅

え?

待って。

そんな都合良い話ある?

急いで不動産屋さんへ連絡。

しかも偶然、そのお店は最初の内見でお世話になったお店。

「あれ?また会いましたね」

なんだか不思議な再会でした。

ただ、その時点ではまだ入居中。

内見はできません。

普通なら迷うかもしれない。

でも私は迷いませんでした。

条件が良すぎたんです。

もうここだと思いました。


⑧ 広さじゃなかった。私が欲しかった“聖域”

29㎡の1K。

数字だけ見ると決して広くありません。

家族向けなら狭いと思います。

でも私には十分でした。

むしろちょうど良かった。

ここは家族のための部屋じゃない。

誰かの期待に応える場所でもない。

ただ、自分を休ませるための場所。

ドアを閉めた瞬間だけは、お母さんでも奥さんでもなくていい。

ただの私になれる場所。

遠回りしたアパート探しだったけれど、結局探していたのは部屋じゃなくて、自分の居場所だったのかもしれません。

完璧な正解なんてない。

でも、この小さな部屋で少しずつ、自分の輪郭を取り戻しています。

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